- にや
- I
にや(連語)〔断定の助動詞「なり」の連用形「に」に係助詞「や」の付いたもの〕(1)(後にくる「あらむ」などの語と呼応して)断定することに対しての疑問または反語の意を表す。
「大納言南海の浜に吹き寄せられたる~あらむと思ひて/竹取」「雪の山, まことの越の~あらむと見えて, 消えげもなし/枕草子 87」
(2)(後にくる「あらむ」などの語を省略した形で)(ア)(文末に用いて)疑問の意を表す。II「尋常(ヨノツネ)ならぬさまなれども, 人にいとはれず, よろづ許されけり。 徳の至れりける~/徒然 60」(イ)(文中の挿入句に用いて)断定することを避けて, 疑いを残す意を表す。 「ことし元禄二とせ~, 奥羽長途の行脚只かりそめに思ひたちて/奥の細道」
にや(連語)〔格助詞「に」に係助詞「や」の付いたもの〕格助詞「に」で示されるものに関して, 疑問または反語の意を表す。「立ちしなふ君が姿を忘れずは世の限り~恋ひ渡りなむ/万葉 4441」「夢~見ゆらむと, そらおそろしく/源氏(帚木)」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.